盲導犬アンソニーがゆく!

アンソニー(♂)  盲導犬アンソニーは、財団法人日本盲導犬協会より無償貸与されています。     

 

2007年09月17日

11番バスの仲の一休さん

20070917hbO.jpg「夢の中でフリーラン」
行きつけのヘアサロンにて〜スタッフの好意でハーネスをはずし、
アンソニーはいつもぐっすり〜足をバタバタさせ夢の中でもフリーラン」

11番バスの仲の一休さん〜

  「おう!ここ空いてるよ」シルバーシートをポンポン
叩いて、また会えたねと私を招く人は、
囲碁帰りの
一休さん。11番の路線バスの中で、
私たちを見かけると、
必ず声をかけてくれる
仲良し一休さん。
家にいるとひ孫のおもり
ばかりで、ほかに
何もすることがないからと、
散歩がてらに
バスに乗り、流れ過ぎる車窓
の風景を楽しみ
ながら、わざわざ駅舎の
ガード下にある囲碁
道場まで出掛けている。
ある日「犬はバスに乗っていいのかい?
大人しい子だね、うちのひ孫のほうがよっぽど
やかましいよ」と隣に並んで
座っていた一休さん
から、一気に話をきり
だしてきた。ラッシュの
少し前、まだ乗客もまばらなバス
の中。
窓から射し込む西陽を首筋に痛く
感じながら、
ゆっくりとアンソニーについて
説明を始める。
しばらくすると、耳が悪いのであまりよく
聴こえ
ないんだ、補聴器が合わなくてね、
あきらめたよ
と言いだした。すかさず私は
自分の髪をかきあげ
、両耳に付けている
補聴器をそれぞれ見せた。
とたんに身を
乗りだした一休さん。アンソニーの
話から、
今度は補聴器についてあれやこれやと、
様々な質問や疑問を私に投げかけてきた。
やがて足元に横たわるアンソニーのことを、
目だけでなく耳の代わりもしてくれるなんて
大したもんだと言った。ちょっぴり勘違いは
あるけれど、一休さんの
はじけるような笑い
かたが、とても素敵だった
のでそのままに
している。
いつかちゃんと説明しなければと
思うのだが、
なかなかそのタイミングがなく、
うまくそこまで
に話が辿りつけない。
降りしきる雨の中や強い風の日、路を横断する
には車の音との判別がつかず、とても厳ししい。
よく判断をあぐねる。そんな時、もしコマンドを
誤っても、アンソニーはグッと足を踏ん張って
動かないので、いま横断してはならないのだと
判断し、やがてくる車が目の前を通り過ぎるのを
待つ。
確かに、音に頼る行動がむつかしい私に
とって、
アンソニーが来てくれたお陰で、外出には
かなり
助けられている。
ある意味では聴力の乏しさを
補ってくれて
いるのかもしれない。 そんなわずか
な時間の中で、私たちはバス
に揺られながら、
会うごとに互いの近況を
大きな声でゆっくり語り
合う仲だ。
お風呂屋さんのこと、ひ孫さんのこと、
趣味の囲碁のこと、ペットのニワトリさんのこと、
そしていつも売り切れてしまう豆大福
のこと
などなど〜。
一休さんはいつだって得意げだ。
「あんた今日は、かみゆいさんに行ったか」と
訊かれて、どうやら補聴器の見え隠れ具合で、
私のヘアスタイルの変化に気づくらしい。
サロン帰りに会うのは今日で2度目になる。
髪の話になったとき
「わしなぁ、孫から一休さん
と呼ばれとんのよ」
その瞬間、彼は私の中で
一休さんに早変わりした。
どうやら頭が似て
いる‥らしい。
バスはそれぞれの帰る場所へ、ゆるゆると
私たちを運んでゆく。ほどなく案内の声が
一休さんの目的
の場所を告げる。
「じゃあ、先に降りるよ、またね」一休さんは
挨拶がわりに私の肩を、自分の肩でこつん
こづき、少し引きずるようなゆっくりとした足取り
でバスを降りてゆく、ひそやかな杖の音とともに。
ごきげんよう一休さん、またお声かけてくださいな。
一休さんに会えるとなんだかほっとする。
いつだったかお向かいに座っていた
ご婦人から
「さっき降りられたかた、
ずっと手を振っておられましたよ」
思わず腰が浮いた、
慌てた私は視線をただ
後方へと泳がせるだけしか
できない。
 
特攻を志願し、足を患い一度は帰ってきた一休さん。
再び出撃の命を受け、その翼を
飛ばすことなく
終戦をむかえた。
それは私の大好きな伯父の姿とも重なる。
その伯父も豆大福には目がない。
こんど豆大福が買えたら、一休さんの通う
囲碁道場に遊びにいってみたい。
そしてあのしびれるような笑い声をもっともっと
聴いてみたい〜。
  
ラベル:盲導犬
posted by アンコ at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その続きが聞きたいですね。
一休さんも勿論いい人だけど、そのご婦人の言葉にも泣けました。みんないい人。読んでて嬉しくて涙ボロボロでした。豆大福をおいしそうに食べてる一休さんまでが見えるようです。
Posted by トラベラーの父ちゃん at 2007年09月21日 01:24
その続きが聞きたいですね。
一休さんも勿論いい人だけど、そのご婦人の言葉にも泣けました。みんないい人。読んでて嬉しくて涙ボロボロでした。豆大福をおいしそうに食べてる一休さんが見えるようです。
Posted by トラベラーの父ちゃん at 2007年09月21日 01:28
その続きが聞きたいですね。
一休さんも勿論いい人だけど、そのご婦人の言葉にも泣けました。みんないい人。読んでて嬉しくて涙ボロボロでした。豆大福をおいしそうに食べてる一休さんが見えるようです。
Posted by トラベラーの父ちゃん at 2007年09月21日 01:31
ごめんなさい。
エラーが出たので何度も同じものを。
失礼しました。削除してください。
Posted by トラベラーの父ちゃん at 2007年09月21日 01:36
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